【法人PCの値上げ対策】更新延期のリスクと新品・リユースPCの使い分け
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法人PCの価格が上がったから、買い替えを延期する。支出だけを見れば合理的な判断に見えます。しかし、更新対象を一律に先送りすると、業務に必要な性能を満たしていないPCや、OSのサポート状況に問題があるPC、故障時の代替手段がないPCまで使い続けることになりかねません。
PC価格が高い局面で考えるべきなのは、「今買うか、待つか」の二択ではありません。どのPCは今更新する必要があり、どのPCなら使用期間を延ばせるのか。そのうえで、新品・リユースPC・既存PCに予算をどう配分するかを決めることが重要です。
リングロー株式会社が2026年7月に、勤務先の業務用PCの購入・調達に関与する300名を対象として実施した「法人PC調達実態調査」では、77.7%が直近1年間の調達価格について「上がった」と回答しました。



一方、価格や予算の負担を受けた対応として「1台あたりの予算を増やす」と回答した人は21.7%。それを大きく上回ったのが、「購入・更新する時期を延期する」の39.7%でした。
※本調査は企業単位ではなく回答者単位の集計です。日本企業全体の割合を示すものではありません。調査方法や回答結果の詳細については、リングロー株式会社のニュースリリースをご覧ください。
▶ 「法人PC調達実態調査」の詳細を見る
本記事では、この調査結果を踏まえ、値上げ局面において企業がPC調達をどう組み直せばよいのか、具体的な解決策を解説します。
1. 法人PCの価格上昇は「待てば解決する」とは限らない
PC価格を押し上げている要因の一つが、メモリなど主要部品の価格上昇です。
TrendForceは2026年第3四半期について、従来型DRAMの契約価格が前四半期比13~18%上昇すると予測しています。AIやデータセンター向け需要を背景として、PC向けメモリの供給にも影響が出ています。
国内でもPCの平均出荷単価は上昇しています。
JEITAの国内PC出荷台数・出荷金額をもとにリングローが算出した2026年1~6月の平均出荷単価は12万3,095円。前年同期と比べて10.7%高い水準でした。ここでいう数値は特定メーカーや法人向けPCだけの販売価格ではなく、国内PC市場全体の出荷実績から計算された平均値です。
もちろん、PC価格が今後どう動くかを正確に予測することはできません。
そのため、「価格が下がるまで更新を待つ」ことを調達方針そのものにするより、現在使用しているPCを業務上の重要度ごとに分け、更新の優先順位を付ける方が現実的です。
2. PC更新は「年数」ではなく4つの条件で判断する
「何年使ったら買い替えるべきか」という基準だけで判断すると、まだ使えるPCまで更新したり、逆に更新すべきPCを残したりする可能性があります。法人PCでは、使用年数よりも次の条件を確認した方が判断しやすくなります。
| 確認項目 | 更新を優先したい状態 | 使用継続を検討できる状態 |
|---|---|---|
| OS・セキュリティ | OSや必要ソフトのサポート対象外 | サポート対象で更新を継続できる |
| 業務性能 | 通常業務でも処理待ちが頻発する | 担当業務を問題なく処理できる |
| 業務継続性 | 故障すると業務が止まり、代替機もない | 予備機や代替手段が用意されている |
| 保守・サポート | 故障時の修理先や保証がない | 保証や修理体制を確保できている |
特に確認したいのがOSです。
Windows 10は2025年10月14日に通常サポートを終了しました。通常サポート終了後はセキュリティ更新などが提供されなくなるため、Windows 11への移行や、対応PCへの入れ替えなどを検討する必要があります。
つまり、「5年使ったから交換」「まだ動くから継続」という一律のルールではなく、そのPCが現在の業務・セキュリティ・事業継続の要件を満たしているかを見る必要があります。
3. 「購入価格」だけでなくPCにかかる総コストを見る
法人PCを比較するとき、1台あたりの購入価格だけを見ると判断を誤ることがあります。
企業が実際に負担するコストには、PC本体以外にも初期設定、キッティング、故障対応、社員からの問い合わせ、代替機の手配、データ移行などがあります。
このように導入から運用まで含めた費用をTCO(Total Cost of Ownership=総保有コスト)として考えると、単純に「一番安いPCを買う」ことが必ずしも最も安いとは限りません。
一方で、すべての社員に最新・高性能な新品PCを用意する必要があるとも限りません。そこで重要になるのが、業務ごとに必要性能を分けることです。
4. 新品とリユースPCを用途別に組み合わせる「ハイブリッド調達」
PC調達費を抑える方法として、新品から中古・リユースPCへ全面的に切り替える必要はありません。高い性能が必要な業務には新品または高性能PCを割り当て、比較的負荷の小さい業務にはリユースPCを割り当てる方法があります。
本記事では、このように調達方法を用途別に分ける考え方を「ハイブリッド調達」と呼びます。例えば、次のように整理できます。
| 主な用途 | 重視する条件 | 調達方法の考え方 |
|---|---|---|
| 開発、CAD、動画編集、デザイン | CPU・GPU・メモリ性能 | 新品・高性能モデルを優先 |
| 営業、一般事務、Web、クラウド利用 | 必要十分な性能、携帯性 | 条件を満たせばリユースPCも検討 |
| 受付、店舗、共有端末 | 安定性、台数、交換のしやすさ | リユースPC+予備機も選択肢 |
| 経営層、出張・外出が多い社員 | バッテリー、重量、信頼性 | 状態や要件に応じて新品を優先 |
| 一時的な増員・短期プロジェクト | 利用期間、導入速度 | 購入以外にレンタル等も比較 |
ポイントは「新品か中古か」から考え始めないことです。
先に「その社員が何をするのか」「どの程度の性能が必要なのか」「故障した場合に何時間まで業務を止められるのか」を整理し、その条件を満たすPCを選びます。そうすれば、性能を必要としない業務に高額なPCを割り当てることを減らし、その分の予算を高性能PCが必要な社員や、必要台数の確保に回しやすくなります。
5. 「1台の価格」ではなく「限られた予算をどこに配るか」で考える
PC価格が上昇している局面では、従来と同じPCを同じ台数購入することだけを前提にすると、予算不足になりやすくなります。そこで、PC調達を「製品選び」ではなく「予算配分」として考えます。
仮に社内で30台の更新対象PCがある場合でも、30台すべてが同じ仕事をしているとは限りません。高性能PCが必要な社員が8名、一般事務が15名、店舗・共有PCが7台なのであれば、それぞれに同じ価格帯・スペックのPCを配る理由はありません。
更新対象を業務別に分けることで、「30台を全部延期する」「予算内に収めるため20台だけ買う」といった判断以外の選択肢が生まれます。重要なのは、更新台数を減らすことではなく、必要性能以上のPCに使っていた予算を減らすことです。
6. 法人導入事例でも「必要性能と台数」の見直しが行われている
リングローの法人向けR∞PCページには、リユースPCを法人利用した事例が掲載されています。
あるクリニックでは、電子カルテ導入に伴って複数台のPCを一括更新する必要があり、スペックを統一したR∞PCを15台導入しています。
また、プログラミングスクールの事例では、従来1台15万円以上で調達していたPCを1台10万円以下で導入し、新品と比較して約40%のコスト削減につながったと紹介されています。
※これらはあくまで個別の導入事例であり、同じ削減率や条件がすべての企業に当てはまるわけではありません。
ただし、「すべて新品で統一する」以外にも、業務に必要な性能、台数、保証条件を整理したうえでリユースPCを組み込む方法があることは分かります。
7. 法人向けリユースPCは「安さ」より運用条件を見る
法人が中古・リユースPCを導入するとき、購入価格だけで比較すると、導入後の管理負担が増える場合があります。特に複数台を導入する場合は、次のような条件を事前に確認しておくと比較しやすくなります。
- OS: Windows 11など、利用予定期間中にサポートされるOSか
- スペック: 社内で使用するソフトやクラウドサービスの要件を満たすか
- ストレージ: SSDの状態・交換条件はどうなっているか
- バッテリー: 販売時の検査基準や交換条件が明示されているか
- 保証: 保証期間、故障時の送料、修理・交換条件
- サポート: 社内IT担当者以外に問い合わせできる窓口があるか
- 台数: 同一または近い仕様を必要数確保できるか
- 法人書類: 見積書・請求書・領収書・インボイスに対応しているか
法人利用では、故障が1台発生することより、その1台の対応に情報システム担当者の時間が取られることの方が問題になるケースもあります。そのため、リユースPCでは本体価格だけでなく、故障後に誰が、どのように対応してくれるのかまで確認しておくことが重要です。
R∞PCの場合は保証・法人対応を含めて比較できる
リングローが販売するR∞PCでは、青色ステッカーが付いたR∞PCについて無期限の機器保証を提供しています。
公式FAQによると、自損による故障を含む無償修理・交換に対応し、パソコン本体、バッテリー、ACアダプターまたは電源ケーブルが保証対象です。データやソフトウェアなどは保証対象外となります。
(※緑色ステッカーの「R∞PC LIGHT」は購入後2年間の保証となるため、製品によって保証期間が異なります。詳細な条件は購入前に保証規程を確認してください。)
法人向けページでは、1台から数百台規模までの相談、複数拠点への分納、見積書・請求書の発行、大口注文などにも対応しています。
単に「中古だから安い」という比較ではなく、購入価格、必要スペック、保証、導入後のサポートまで含めて比較することで、自社に適した調達方法を判断しやすくなります。
法人向けのご相談・お見積り 法人向け R∞PC(アールピーシー) 「一部の部署だけ切り替えたい」「同じ仕様で複数台そろえたい」といったご相談や、用途に応じたスペック選定をお手伝いします。適格請求書の発行も可能です。 法人向け窓口はこちら
8. よくある質問
PC価格が上昇すると、「予算を増やす」「購入台数を減らす」「更新を延期する」という判断になりがちです。しかし、社員全員が同じ性能のPCを必要としているとは限りません。
まず現在のPCを業務内容、必要性能、OS・セキュリティ、業務継続性で分類し、更新が必要なPCから優先順位を付けます。そのうえで、高性能を必要とする業務には新品、一般的な事務・クラウド利用には条件を満たしたリユースPCというように調達方法を分ければ、単純に台数を減らすことなく予算を調整できる可能性があります。
重要なのは、「新品か中古か」を最初に決めることではありません。必要な仕事に必要な性能を割り当て、その条件を満たす調達方法を選ぶことです。
佐藤 鴻地(R∞PCダイレクト 店長)
リングローでは実際の法人営業の現場で、PC価格の上昇に伴い「必要な台数をどう予算内で確保するか」という相談を受けています。新品かリユースかを先に決めるのではなく、まず「どの業務に、どの程度の性能が必要か」を整理することが重要です。必要性能、台数、予算だけでなく、導入後の保証やサポートまで含めて比較することで、調達方法の選択肢を広げることができます。
今日明日の業務がある中「値段が高いから購入を諦める」という判断で仕事に支障をきたしてしまうのは本末転倒です。なるべく予算を抑えて、なおかつ状態が良く保証も充実したリユースPCという選択肢が広まればうれしいです。